交付金とは、国などが特定の目的のもとに交付する金銭のことだ。広い意味で使われる言葉で、補助金も交付金に含まれるという考え方もある。ただし実務上は、交付金といえば国から地方自治体に義務的に交付される金銭のことを指す。地方自治体はそのお金を目的に沿った団体や組合などに対して報償とし一方的に交付する。 交付金は「東日本大震災復興交付金」「地域経済循環創造事業交付金」「電源三法交付金(原発交付金)」など多種多様だ。よく交付金と間違えられるものに、負担金というものがある。負担金とは、国に一定の義務や責任のある事務、事業について、国が義務的に負担する給付金のことだ。交付金と異なるのは「負担金は法律で国の負担であることが定められている」という点である。 なお、負担金には地方公共団体の事業費を国が負担するものも含まれているのが特徴だ。また、地方公共団体が各種団体への会費など、法令上の特定の事業に対して一定額を負担するものも負担金とする場合がある。 補助金と交付金の違いは? 今まで説明してきた補助金と交付金の違いを表にまとめると、次のようになる。 項目 補助金 交付金 助成金 負担金 支給の対象 特定の事業 特定の目的(投資・支出) 一定の事業全体 支給元 国・地方公共団体・各種団体 国・地方公共団体 原則 国 支給先 一般企業 一定の企業・団体 地方公共団体・各種団体 返済の要・不要 不要 審査 要 不要(ただし申請は必要) 不要(ただし申請は必要な場合が多い) 金額 数十万円~数百万円程度 数十万円~億単位のものまでさまざま 補助率 2分の1~3分の2程度 全額給付が多い 期間 半年程度の短期が多い 複数年にまたがる場合が多い 上記は、一般的なものをまとめた表だ。名称は補助金だが内容は助成金であるなど、使われている名称が混在したり、特別な補助金や交付金には特定の条件があったりする。そのため、あくまでも目安として利用し、詳細は各補助金や交付金の内容を都度確認することが必要だ。 補助金や助成金を受けるためのプロセス5ステップ 支給の対象が一般企業となっているものは、交付金よりも補助金のほうがはるかに多い。そこで補助金を受けるための一般的なプロセスについて解説していく。主な流れは下記の5つだ。 補助金を知る 申請する 補助金交付の決定 事業の実施 補助金の交付 以下、それぞれの詳細を解説する。 1.
こんにちは! スイッチインターン生の八田奈々です。 この記事では、スイッチでも使える 『小規模事業者持続化補助金〈低感染リスク型ビジネス枠〉』 の解説をします。 ポストコロナ社会に対応したビジネスモデルへの転換 をご検討中の事業者様はぜひご参考ください。 ■小規模事業者持続化補助金〈低感染リスク型ビジネス枠〉とは?
提出書類に注意する 補助金の申請から交付を受け取るまでには、各プロセスでいくつもの書類を提出する必要がある。提出書類に漏れがあると、補助金の交付までに時間がかかったり、そもそも補助金の交付が受けられなかったりする可能性も出てくるのだ。そのため必ず要項などを確認して提出書類の漏れを防ぐことが重要となる。プロセスごとの一般的な提出書類は、以下の通りである。 補助金 提出書類一覧 プロセス 提出書類 申請時 応募申請書 事業計画書 経費明細書 事業要請書 採択時 交付申請書 選定結果通知書 補助金交付規程 実施時 計画変更申請 報告時 実績報告書 経費エビデンス 請求時 請求書 2. 資金繰りに注意する 補助金は、事業を実施しない限りは交付されない。そのため先に経費の出費が生じ、中には数百万円程度の先払いが必要になることもある。補助金の対象になる事業以外にも、通常の事業の経費や給料の支払いなどの出費があるのが一般的だ。そこで資金繰りが悪くならないように、きちんと資金計画を立てておくことが重要になる。 また当初の資金計画とずれが生じた場合は、金融機関からの融資が必要なのかどうかを精査し、資金がショートしないような対策を立てておくことも必要だ。 3. 当初の事業内容とずれないように注意する 補助金を受けるには、最初に申請を行い補助金交付が決定したのち実際に事業を行う。そのため最初の計画と実施後の事業内容にずれが生じてしまう場合もあるだろう。もし補助金を本来の目的や趣旨と違った使い方をした場合には、補助金が出なかったり、補助金の一部を返納することが必要だったりすることもある。 そのため事業を実施していくうちに当初の事業内容とずれが生じそうになった場合は、できるだけ早く補助金事務局などの関係機関に相談することが肝要だ。疑問点や不安な点がある場合も同様である。せっかくの補助金だからこそ、有効に活用するため抜けがないように注意したい。 4. 募集期間と事業期間に注意する 補助金を受けるためには、対象の補助金のスケジュールに合わせることが必須である。その中で特に注意が必要なのが、募集期間と事業期間だ。 ・募集期間 募集期間とは、補助金の申し込みを受け付ける期間のことである。補助金の中には、募集期間が1ヵ月程度と短いものも多い。補助金を知ったのが募集期間の途中であった場合は、締め切りまでさらに短期間となってしまうことも考えられる。補助金の募集を知ってから事業の計画を立てていたのでは、間に合わない可能性もあるのだ。 そこで「普段からどのような事業をしたいのか」といった構想や、計画を立てておくことが重要になる。その上で該当する補助金があれば事業を実行すると考えておけば、募集期間が短くてもスムーズに申し込めるだろう。 ・事業期間 事業期間とは、補助金の事業を行う期間のことである。具体的には、補助金の交付決定通知がされてからの期間のことを指す。ただし、事業期間外で支出した経費は補助金の対象にならないため、注意が必要だ。補助金の交付決定通知がされる前に支出した経費や、事業期間終了後に支出した経費には、補助金が出ない。そのため、事業期間で支出できるように留意し、あらかじめ計画しておくことが重要になる。 5.
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M&AはMergers and Acquisitionsの略称で、日本語に訳すと「 合併と買収 」です。 企業の株式を購入して、経営権を確保するというプロセスがあるため、 株式の購入費用が必要 になります。 大企業であれば、M&Aの買収資金を全額自己資金で賄うこともできるかもしれませんが、資金に余裕がない場合はM&Aを断念しなければなりません。 そのようなときに活用したいのが M&Aの関連の補助金 です。 この記事では、 M&Aの補助金について解説 します。 M&Aの補助金とは M&Aの補助金とは、M&A実施時に一定の要件を満たすことで 国や地方自治体から支給される 補助金です。 日本では中小企業が全企業の99%を占めており、 多くの中小企業では経営者の高齢化が進んでいます。 そのため、事業が好調であり世界最先端の技術を有しているにも関わらず、廃業してしまうことも。 円滑な事業承継やM&Aをサポートする ために、補助金制度が創設されています。 今回ご紹介する補助金は 事業承継・引継ぎ補助金、事業承継補助金、経営資源引継ぎ補助金 の3種類です。 M&Aの補助金1. 事業承継・引継ぎ補助金 事業承継・引継ぎ補助金 とは、 中小企業庁 が実施している制度です。 事業承継・引継ぎ補助金の制度は、事業承継や事業再編、事業統合など経営者が交代を機に、新しい取り組みを行う事業者に対し、経営革新実施費用の一部を補助する制度です。 参考: 事業承継・引継ぎ補助金Webサイト 事業承継・引継ぎ補助金の補助金は、以下2種類の類型があります。 事業承継・引継ぎ補助金(経営革新) 事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用) これから事業を譲渡したい方や、事業や企業の買収を希望する方、事業承継や事業再編をきっかけに新しいチャレンジをしたい方は積極的に活用しましょう。 類型1. 経営革新 事業承継・引継ぎ補助金(経営革新) は、事業承継や事業の引き継ぎを契機に、中小企業に対し費用の一部を補助する制度です。 制度の対象は、以下2つに挑戦する中小企業です。 事業の再構築や設備投資 販路拡大などの経営革新 事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)は、【 Ⅰ型】創業支援型、【Ⅱ型】経営者交代型、【Ⅲ型】M&A型 の3つに分かれています。 【Ⅰ型】創業支援型 他の事業者が保有している経営資源を引き継いで創業した事業者への支援制度。 補助率:2/3、補助上限額は400万円 【Ⅱ型】経営者交代型 親族内承継等により経営資源を引き継いだ事業者への支援制度。 【Ⅲ型】M&A型 M&Aにより、経営資源を引き継いだ事業者への支援制度。 補助率:2/3、補助上限額は800万円 参考: 令和2年度第3次補正予算 事業承継・引継ぎ補助金 創業支援型 経営者交代型M&A型【公募要領】 M&A型のみ 補助上限額が他と異なる 点に注意が必要です。 類型2.
企業にとって資金の支援を受けられる 補助金 や 助成金 は、大変に重要なものです。特に起業・開業したばかりの企業では、少しでも資金は必要になってきますので大切になってきます。 今回は、補助金と助成金についてやその違いを解説していきます。 ※この記事を書いているmを運営しているスタートゼロワン社が発行している「 起業のミカタ(小冊子) 」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。 補助金とは? 補助金は国や自治体が産業振興や雇用の推進、地域活性化などに貢献する事業に向けて交付される資金で、融資と違って返済義務がないことが大きな特徴といえます。 起業時の資金調達方法としては、融資(日本政策金融公庫での借入や制度融資による借入など)が一般的ですが、低金利とはいえ返済する必要があります。 国が政策の中で「若者の起業家を増やしたい」「女性の起業家を増やしたい」となれば、「若者や女性が起業するときの補助金」を作ることで、「若者や女性の起業を増やす」効果があります。国の政策を推進するために作られたものになりますので、補助金は条件に合致すれば「返済不要」で利用できるのです。 ◆代表的な補助金 経済産業省が提供している補助金 地方自治体が独自で提供している補助金 企業、政府系金融機関、財団等が独自に行っている補助金 年間で数十程度の補助金が公募させるので、自分の事業に会う補助金をチェックすることが重要です。 (参考記事) 起業・開業者が検討すべき補助金について 【無料】資金調達相談会を実施しています。資金調達相談会申し込みは こちら から。 助成金とは? 助成金とは、一般的に厚生労働省所管で取扱っている給付金のことを助成金と呼び、給付の条件を満たしていれば誰でも貰うことができ、融資などとは違って、返済の必要がありません。基本的には従業員を雇用する上で社会保険に加入していることが条件となっています。種類としては約50種類ほどもあり、現在の自社の状況をみて、該当するものを申請していくことで、給付を受けられます。 一般的に、補助金は条件に当てはまったものを申請し、採択された方(事業)だけもらえる資金「難易度が高い」「もらえる金額が大きい」のに対し、助成金は条件をクリアすれば必ずもらえる資金「難易度が低い」「もらえる金額が少額」になります。 また助成金の申請がわからないという方は、専門家に申請を代行してもらうこともあるでしょう。この場合では、労務の専門家である社会保険労務士(社労士)の方にお願いするようにしてください。 ◆代表的な助成金 厚生労働省が提供している助成金 代表的な所でいうと 「キャリアアップ助成金」「雇用調整助成金」「トライアル雇用助成金」「受動喫煙防止対策助成金」 など人の採用、給与UP、職場環境改善など雇用や職場に特化した内容が多いのが特徴です。 (参考記事) 起業・開業者が知っておきたい『助成金』について解説 補助金と助成金の違いとは?
【令和3年度まで】公共下水道と農業集落排水の接続工事に係る費用助成制度が拡充されています! 浄化槽や汲み取りから、公共下水道や農業集落排水へ接続する住宅に、宅地内配管工事の費用の一部を補助する制度で、平成30年度から令和3年度まで拡充して実施しております!
補助金を知る まずは「補助金とはどのようなものか」「自社に合った補助金があるのか」などを知るところから始めることが必要だ。国土交通省や経済産業省、内閣府などの各省庁、都道府県や市区町村などの地方自治体のホームページには、現在募集している補助金の情報が掲載されている。自社が行っている事業に関係する省庁や所在地の自治体のホームページを常に確認し、補助金の情報を得ることが重要だ。また後述するように補助金の情報をまとめたホームページなどもある。 2. 申請する 申請したい補助金を見つけたら、申請書を作成して事務局などに申請を行う。申請書の用紙や募集要項などは、助成金のホームページからダウンロードが可能だ。募集要項には必要書類や申請の期限などの詳しい内容が記載されているため、申請前に不備がないか十分に確認しておこう。 3. 補助金交付の決定 補助金の申請が終わったら、事務局が補助金を交付する企業を決定する。ただし、決定までには以下のような3つのプロセスを踏むことが必要だ。 ・審査 事務局は受け取った申請書を受理し、内容を審査する。多くの場合、審査委員会を別で設けて審査を行う。申告書の内容をもとに審査を行い、交付を受ける事業(企業)を選定する。 ・採択 「審査が通れば終わり」というわけではなく、選定された企業はその後何回か事務局とやりとりを行う。各補助金事務局から、選定結果通知とともに補助金交付規程や補助金交付申請書を受け取る。補助金交付規程を確認したら、補助金交付申請書と経費相見積もり(書)を作成。作成した書類を再度、補助金事務局に提出する。 ・交付 補助金事務局は、提出された補助金交付申請書と経費相見積もり(書)を確認し、問題がなければ交付決定通知書を発行。この交付決定通知書を受け取ると、補助金交付の決定となる。 4. 事業の実施 補助金は、該当事業を実施して初めて交付される。そのため、該当事業はまず自己資金で行うことになるのだ。交付決定された内容で事業をスタートし、事業の途中で実施状況について事務局のチェックを受けなければならない。原則、交付時の計画を勝手に変更することはできないため、途中で変更が必要な場合は補助金事務局へ計画変更申請を行い、審査・承認される必要がある。 5.
国や多くの自治体において、事業者を下支えしたり、その事業を発展させたりなど、さまざまな目的で補助金や交付金が給付されている。支給の対象になるのであれば積極的に補助金や交付金を利用したほうが、企業にとっては資金面で有利になる。しかし「補助金と交付金の違いや補助金などを受け取るにはどうすればよいか分からない」という人も少なくないだろう。 そこで今回は補助金と交付金の違いや補助金を受け取るまでの流れについて解説する。 補助金とは?